お菓子作り、編み物、ネイル、ヘアアレンジ、、
いわゆる女の子の趣味が、できない
頭の中には上品に西陽に照らされながら、可愛いエプロンを巻いてお菓子作りをする私がいる
うん、いい感じ、
彼氏を思うキュートな彼女って感じ
綺麗に焼けたケーキをみてにっこり
可愛い白とピンクのおリボンで飾り付け
丸くて可愛い字で大好きよ♡なんてメッセージを書いてリボンの間に挟む
箱を開けてパッと笑顔になる彼氏
誇らしげに写真を撮る彼
あーあ。イメージだけはばっちり。
目の前にはぐちゃぐちゃ山積み調理器具と
型から最大にはみ出て輪郭がボヤけたクマちゃん
味が渋くて苦い
なんで甘いはずのケーキに渋みを感じるのか?
「これは流石にあげられないかも、、買ったのにしよう、、、」
毎年恒例。
そして半日いそいそと作成した半崩れのお菓子たちは時間をかけて私の胃の中へ到達し、私の脂肪分としてしっかり蓄えられる。
乙女が削れ、糖質脂質が同化する。
今日もまた、乙女から遠ざかる。
そして限りなくおじさん女に近づく
千年に一度の美少女はいも焼酎を飲んで酒焼けした声になっても
ギャップ萌え♡かわいい♡
お酒飲んでても可愛いってどういうこと!?
ぶりっ子しないところがいいね😊👍
などと
絶賛の嵐。
彼女の好きなことがお菓子作りと裁縫であっても世の人々はスタオベでしょう。
私は命があるだけラッキー✨の人間なので
いも焼酎を飲んで酒焼けしても
輪郭が崩れたクマちゃんを生成しても
全肯定はされない
女なのにみっともない
それは、私もそう思う。
女なのにぐちゃぐちゃのケーキしか作れない
それを自慢げにストーリーしてしまう
これはちょっとださい。
彼には美味しくないよと保険をかけておいて
とりあえず渡してみよう。
きっと笑いながら
あなたらしいね、と言ってくれると思うんだ。