夕焼けと恋心

夕焼けの教室

静寂の中に響く

二人だけの笑い声

 

夢にまで見た光景

西日に照らされる君の横顔を

張り裂けそうな心臓を抱え

僕は愛おしい気持ちいっぱいで見ていた

 

そんな僕に気が付く気配もなく

君は希望に満ちた輝く近い未来に

思いをはせていた

 

天を向く長いまつげ

狭くてキュッとした二重

雪のような透き通る肌

桜のような春色の唇

 

どこを切り取っても

感嘆のため息がこぼれるほど美しい

 

そんな彼女のそばにいるのが

いたたまれなくなったり

時に嫉妬したり

 

それでも

僕の話に耳を傾け

誰よりも僕の話で

顔をほころばせて笑う彼女が

どうしようもなく愛おしく

素敵だった

 

別れ際

夕焼けに照らされた彼女が

ふわりと微笑み

ひらひらと手を振る

今日はありがとう、また明日。

甘い声で彼女が言葉を放つ

 

訳もなく心が締め付けられる

 

オレンジに染め上げられた街を見下ろす

これは恋かもしれない

 

 

僕の顔は

オレンジに染められた

 

 

きっとこの西日のせいだろう