体温

 

 

 

帰宅した私の体には

まだ彼の体温が残っていた

 

 

彼の匂い、髪質、肩幅、声

覚えられるものは全て覚えた

 

 

今はすべてが愛おしく恋しい

 

 

 

たくさん愛しあえば愛し合うほど

たくさんあなたが足りなくなってくる

 

 

こんなにも大好きで仕方がない

 

 

最近は

好き、もかわいい、も

あまり言ってくれなくなった

 

 

でもそれでも

行動のひとつひとつ

声、表情から

彼が私を大切に思ってくれるのが伝わる

 

 

いつかきっと

もっと冷めきってしまうかもしれない

 

そんな寂しさも抱えながら

 

 

でもとりあえず

今が幸せだからそれでいいと感じる

 

 

あなたの体温が消えないまま

何もない朝を迎えた

寂しさと虚しさを抱きしめて

 

もう一度眠りについた